DNX VenturesのUSチームは、総額143百万米ドル(約217億円)に上る「4号USファンド」の組成を完了しました。このファンドは、日本国内の事業会社16社からの出資を原資としており、米国シリコンバレーを中心とした海外のB2Bスタートアップへの投資に特化しています。この動きは、日本企業がグローバルなイノベーションを取り込み、新たな事業価値を創造するための重要な一歩となります。

なぜ今、海外B2Bスタートアップへの投資が重要なのか
現代のビジネス環境において、自社のみで全てのイノベーションを生み出すことは困難になっています。特に急速に進化するテクノロジー分野では、外部の革新的な技術やビジネスモデルを積極的に取り入れる「オープンイノベーション」が企業の成長を加速させる鍵となります。
DNX Venturesの「4号USファンド」は、このオープンイノベーションを具体的に推進するための有効な手段です。出資する事業会社は、シリコンバレーの最先端技術を持つB2Bスタートアップに投資することで、自社の事業課題解決や新規事業創出の機会を得ることができます。これにより、自社の競争力を高め、将来にわたる持続的な成長(資産構築)を目指すことが可能になります。

確かな実績と手厚いサポート体制が強み
DNX Venturesは、創業以来15年にわたり、シリコンバレーを中心としたB2Bスタートアップへの投資を通じて、出資者へ財務リターンを提供してきました。さらに、30社以上の日本の事業会社LPと密接に連携し、200件を超える事業提携、直接投資、買収といったパートナーシップを支援しています。
この実績を支えるのは、DNX Venturesが提供する多層的なサポート体制です。シリコンバレーオフィスへのLP駐在員の受け入れ、社内起業家育成プログラム(BAP)を通じたイノベーション人材育成、そして本社側への啓蒙活動を通じた組織体制構築支援など、事業会社が継続的にオープンイノベーションを推進できるよう、包括的な支援を行っています。これにより、単なる資金提供にとどまらず、協業の成功確率を高め、新たな事業を生み出す「再現性」のある仕組みづくりを支援しています。

すでに10社のB2Bスタートアップへ投資を実行
「4号USファンド」からは、すでに以下の10社のB2B領域の米国スタートアップへの投資が実行されています。これらの企業は、それぞれの分野で革新的な技術やサービスを提供しており、出資企業にとって将来的な協業の可能性を広げるものとなるでしょう。

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Coalesce社:モダンでスケーラブルなデータ変換ツールを提供するSaaS企業
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Anthropic:基盤モデル群「Claude」を提供するAIシステム開発企業
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Crisp:消費財メーカー向けに製品パフォーマンスの把握を可能にするデータ連携プラットフォーム
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Li Industries:革新的な手法でリチウムイオン電池のリサイクルを可能とする企業
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Cofactr:サプライチェーン管理プラットフォーム
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Knostic:生成AI時代の組織内の知識フローを制御するプラットフォーム
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Halcyon:ランサムウェア対策ソリューション
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Keychain:製品製造プロセスに透明性と利便性をもたらす消費財製造企業
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Mind Security:非構造化機密情報の検知・保護を行う内部脅威リスク管理ソリューション
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Ubiq Security:APIベースの暗号化とコードによる鍵管理を提供するSaaSプラットフォーム
体制強化と今後の展望
DNX USチームでは、Rickie Koo氏がPrincipalからPartnerに、野村佳美氏がDirector of Growth & PartnershipsからPartner, Growthに昇格し、体制を強化しています。

今後もディープテック、クライメートテック、サイバーセキュリティ、AI、リテールテックといったB2B領域を中心に積極的な投資を進める予定です。同時に、出資する事業会社各社のイノベーション人材育成や事業開発の加速に向けた支援も強化していく方針です。
DNX Venturesは、2011年より東京とシリコンバレーに拠点を構え、日米市場を中心にB2Bスタートアップへの投資を行っているベンチャーキャピタルです。これまでに累計約1,230億円を運用し、日米を中心に241社のスタートアップ企業へ投資を実行、34社をエグジットに導いてきました。詳細については、DNX Venturesのウェブサイトをご覧ください。
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DNX Ventures: https://www.dnx.vc/usfund-jp/top
グローバルな視点でのイノベーション創出を目指す事業会社にとって、DNX Venturesの4号USファンドは、未来の事業成長を加速させる強力なパートナーとなるでしょう。海外の革新的な技術やビジネスモデルを取り入れ、新たな価値を創造する一歩を踏み出すことを検討してみてはいかがでしょうか。

