世界が注目する“まだ知られていない場所”へ
新潟県に浮かぶ佐渡島が、米国の有力トラベルメディア『AFAR(アファー)』が発表した「2026年、行くべき旅先」に、日本で唯一ランクインしました。この特集は、オーバーツーリズムへの問題意識から、「責任ある旅」「地域に根ざした体験」「これまで見過ごされてきた場所」をキーワードに、次世代の旅先を紹介するものです。

佐渡島が選ばれた理由とは?
『AFAR』の記事では、佐渡島の魅力が多角的に評価されています。穏やかな海岸線、心安らぐ温泉、そして豊かな海の幸といった自然の恵みに加え、400年以上の歴史を持つ佐渡金山の文化的価値(ユネスコ世界遺産登録)や、伝統的な「たらい舟」など、ここでしか味わえない体験が特に注目されました。
東京から新幹線と船でアクセスできる利便性を持ちながらも、海外ではまだ広く知られていない「アンダー・ザ・レーダー」(注目されていないが、実は価値が高い)な存在である点が、オーバーツーリズムに悩む他の有名観光地とは一線を画し、次世代の旅先として高く評価されたのです。
佐渡島で体験できること
佐渡島は、手つかずのビーチや森林に覆われた山々、エメラルド色の入り江が広がる、まさに日本の原風景が残る場所です。日本列島で6番目に大きな島でありながら、人口は5万人未満と、ゆったりとした時間が流れています。
食の豊かさも佐渡島の大きな魅力です。甘エビ、アワビといった海の幸はもちろん、佐渡牛や全国的に知られる柿など、新鮮な食材の宝庫です。
歴史に触れるなら、日本最大の金銀山であった佐渡金山は外せません。17世紀初頭のゴールドラッシュ期に人の手で掘られた「道遊の割戸」は、その壮大さにきっと圧倒されるでしょう。2024年にはユネスコ世界遺産に登録され、映像再現やアニマトロニクスによる坑道ツアーで、当時の様子をリアルに体験できます。
そして、佐渡ならではの体験として親しまれているのが「たらい舟」です。日本の有名アニメ映画にも描かれたことで知られ、舟の横に浮かべたガラス底の箱越しに日本海の海中を覗きながら漁を行うユニークな体験は、旅の思い出に深く刻まれることでしょう。
宿泊施設について
佐渡島での滞在をより豊かなものにする宿泊施設も充実しています。2024年には、ホスピタリティブランド「NIPPONIA」が、点在型の古民家宿泊施設をオープンしました。修復された歴史ある家屋が、一つのフルサービスホテルとして運営されており、佐渡産の食材をふんだんに使った朝食が楽しめます。
また、海沿いのホテルや温泉宿もおすすめです。特に、料理の質と露天風呂で名高い「OOSADO」は、上品な滞在を求める旅行者に人気を集めています。
『AFAR』とは?
『AFAR』は、米国を代表する富裕層向け旅行メディアです。「旅を通じた学びとつながり」「持続可能で意義ある旅(Meaningful Travel)」をテーマに、感度の高い読者層から支持されています。単なる観光情報にとどまらず、文化・歴史・地域コミュニティへの視点を重視した編集方針が特徴で、世界の旅行トレンドをリードする存在として知られています。
オーバーツーリズムが問題視される今、佐渡島が世界から注目される存在となったことは、きっと新たな旅の価値観を提案してくれるでしょう。ぜひ、次の旅の候補に加えてみてはいかがでしょうか。
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