
「親が亡くなって実家を相続したけれど、今は誰も住んでいない…」「片付けも大変だし、もう少し落ち着いてから考えよう」
もし、あなたが今そう思っているなら、少しだけ立ち止まって考えてみませんか?その「とりあえず放置」が、将来、思わぬ大きな後悔につながるかもしれません。
総務省の統計によると、日本の空き家数は2023年時点で約900万戸にも上り、今後も増加が見込まれる深刻な社会課題となっています。一見、何もしないことが楽に思えても、実は時間とともに静かに、確実に膨らんでいくコストがあるのです。
本記事では、相続空き家が増えている背景から、放置することで生じる具体的な3つのコスト、そして将来のトラブルを避けるために今からできる準備について、親しみやすい言葉で分かりやすく解説します。
相続空き家が増えている背景
日本では、人口減少と高齢化が同時に進んでおり、「住む人のいない家」が構造的に生まれやすい環境にあります。特に多いのが、親世代が地方や郊外に持ち家を所有し、子世代は仕事や家庭の事情で都市部に既に住んでいるというパターンです。
この場合、親が亡くなった後に実家に戻る人がおらず、そのまま空き家になってしまう確率が高まります。さらに、葬儀や相続手続きで忙しい中で、「家のことはそのうち片付けよう」と話し合いを先送りにしてしまうのが一番の落とし穴。放置している間に老朽化が進み、いざ売ろうとした時には「売れず・貸せず」、ただコストだけが発生する「負動産」化してしまうケースも少なくありません。
相続空き家を放置すると増える「3つのコスト」
「誰も住んでいないからお金はかからない」というのは、実は大きな誤解です。空き家を所有し続けるコストは、大きく分けて「①税金」「②維持・管理」「③リスク(見えないコスト)」の3つに分類されます。

それぞれの詳細を見ていきましょう。
① 毎年かかる「税金」のコスト
誰も住んでいなくても、不動産を所有している限り「固定資産税」や「都市計画税」は毎年課税されます。土地・建物の評価額によっては、年間数十万円の出費になることもあります。
特に注意したいのは、「空き家対策特別措置法」です。管理不全の「特定空家等」に指定されてしまうと、住宅用地の特例(固定資産税が最大1/6になる減税措置)が外れてしまい、税負担が驚くほど跳ね上がる可能性があります。
② 草刈り・修繕などの「維持・管理コスト」
家は人が住まなくなると、急速に傷みが進みます。適切に維持するためには、以下のような継続的なケアが必要です。
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庭木の剪定・草刈り(業者依頼なら1回数千円〜数万円)
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雨漏りや外壁の補修
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室内の換気・通水・簡易清掃
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害虫・害獣の駆除
遠方に住んでいる場合、自力で通う交通費や労力も軽視できません。もし管理サービスを利用するとなると、毎月の固定費が発生します。
③ 老朽化・近隣トラブルという「見えないコスト」
金銭面以上に重荷になるのが、精神的な負担や将来的なリスクです。
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老朽化:雨漏りやカビで建物の価値が激減します。
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近隣トラブル:庭木の越境や雑草、不法投棄などが原因で近隣住民と揉めることがあります。
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事故リスク:台風での瓦の落下や倒壊、放火の標的になるリスクも高まります。
これらは将来「売りたい」と思った際、買い手がつかなくなる大きな要因となり、最終的に高額な「解体費用」だけが残る結果になりかねません。
相続前からの話し合いで「空き家放置」を防ぐ
こうした事態を防ぐ最大のポイントは、「相続が発生する前(親御さんが元気なうち)」から家族でしっかりと話し合っておくことです。なぜ「相続前」の会話が大事なのでしょうか?
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親の想いを確認できる:「家を継いでほしいのか」「売って老後資金に充てていいのか」など、親御さんの本音を聞けるのは今しかありません。
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兄弟間の意思統一:誰か住む予定があるのか、全員持ち家なのかを共有できます。
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役割分担の明確化:「誰が管理し、誰が費用を払うか」を事前に決めることで、相続後の「押し付け合い」を防げます。
家族会議では、以下の3点をざっくりとでも共有しておきましょう。
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家の活用方針:誰かが住むのか、売却するのか、賃貸に出すのか。
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費用負担のルール:固定資産税や管理費、将来の片付け費用を「誰が・どの割合で」出すか。
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相談先の共有:困ったときに相談する専門家(不動産会社、税理士、司法書士など)の目星をつけておく。
相続空き家の主な3つの選択肢
将来の方針として考えられる主な選択肢は以下の3つです。それぞれのメリットと注意点を理解しておきましょう。
① 売却する
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メリット:管理の負担から解放されます。現金を分割できるため、遺産分割がスムーズに進みます。
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注意点:思い出の場所がなくなる寂しさがあるかもしれません。市況により価格が変動します。
② 賃貸に出す
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メリット:家賃収入が得られます。人が住むことで老朽化を防ぐ効果も期待できます。
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注意点:リフォーム費用や修繕費がかかる場合があります。入居者トラブルや空室リスクも考慮が必要です。
③ 自分たちで利用する
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メリット:実家を維持でき、週末の別荘や二拠点生活に使うことも可能です。
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注意点:利用頻度が低いと実質空き家と同じ状態になることも。維持費がかかり続けます。
いずれを選択するにしても、重要になるのは「この家にはどれくらいの価値があるのか」を知っておくことです。
まとめ|一番コストが高いのは「なんとなく放置」
空き家は、持っているだけで税金・管理費・リスクというコストが積み上がっていきます。「今は忙しいから」と放置すればするほど、建物は傷み、近隣との関係は悪化し、「売りたくても売れない」状態へと追い込まれてしまうかもしれません。
一番の節約であり、親孝行でもあるのは、「相続前から話し合い、早めに方針を決めること」です。まだ売ると決めていなくても構いません。まずは、今お持ちの不動産が『いくらくらいで売れるのか』、あるいは『いくらで貸せるのか』を一度査定してみましょう。
資産価値を知るには、不動産仲介会社に査定を依頼するのが一般的な方法です。立地や条件にもよりますが、数日で市場流通価格の結果が得られます。
また、Web上で手軽に資産価値を知ることも可能です。例えば、AIを活用した査定サービス「KAITRY」などを利用すれば、マンションの場合は、マンション名と基本情報(広さ、間取り、階数)を入力するだけで、簡単に資産価値を知ることができます。戸建ての場合は、現在「戸建住宅用」に同サービスを開放していないため、下記までご連絡頂くことで知ることができます。
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自宅(マンション)の資産価値を知りたい方はこちら: https://kaitry.com/?utm_source=articlesaitama&utm_medium=referral&utm_campaign=articlesaitama&utm_id=newscast_articlesaitama
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自宅(戸建住宅)の資産価値を知りたい方はこちら: https://kaitry.com/inquiry.html?utm_source=articlesaitama&utm_medium=referral&utm_campaign=articlesaitama&utm_id=newscast_articlesaitama
「現状の価値」と「今後かかるコスト」を天秤にかけることで、「残す・貸す・売る」の判断が、ぐっと現実的で納得感のあるものになります。家族だけで抱え込まず、早めに専門家の力を借りて、実家の未来を前向きに考えていきましょう。
監修者について

大谷 修太(おおたに しゅうた)
齋藤久誠公認会計士・税理士事務所
1級ファイナンシャル・プランニング技能士
宅地建物取引士
2012年にみずほ銀行へ入社後、2014年みずほ信託銀行へ出向。2024年まで相続・事業承継・不動産を専門とするコンサルタントとして毎年100家族以上のご相談に対応。「相続や事業承継で経済的に不幸になるご家族を一人でも減らしたい」という理念のもと、幅広い層に最適なソリューションを提供しています。
株式会社property technologies(プロパティ・テクノロジーズ)について
「UNLOCK YOUR POSSIBILITIES. ~テクノロジーで人生の可能性を解き放つ~」というミッションを掲げ、年間36,400件超の不動産価格査定実績やグループ累計約15,100戸の不動産販売で培ったリアルな取引データ・ノウハウを背景に、「リアル(住まい)×テクノロジー」で、誰もが、いつでも、何度でも、気軽に住み替えができる未来を目指し、手軽で利便性の高い不動産取引を提供しています。
会社概要
会社名:株式会社property technologies
代表者:代表取締役社長 濱中 雄大
本社:東京都渋谷区本町3-12-1 住友不動産西新宿ビル6号館12階
設立:2020年11月16日
上場:東京証券取引所グロース市場(5527)

