2025年は、団塊の世代が全員75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」が現実のものとなった節目の年です。さらに、物価高騰が家計に大きな影響を与える中で、介護施設の費用に対する不安は増しているのではないでしょうか。このような社会状況を受けて、介護施設選びを経験した方々を対象に、お金に関する実態を調査した「介護施設選び経験者の実態調査2026 -お金編-」が発表されました。この調査結果から、介護施設選びで気になるお金のリアルな実態と、後悔しないためのヒントを探っていきましょう。
入居一時金は「なし」の施設を選ぶ人が増加傾向
介護施設に入居する際に必要となる入居一時金について、今回の調査で最も多かった回答は「なし」で37.3%でした。これは、昨年実施された同様の調査と比較して約10%増加しています。

入居一時金は家賃の前払いのような性質があり、まとまった現金が必要となるケースが多いです。物価高騰など、入居を検討する側の経済的な事情を考慮し、入居一時金がない料金プランを提供する民間施設が増えていることが、この傾向の背景にあると考えられます。初期費用を抑えたいというニーズの高まりがうかがえますね。
入居一時金の負担は「家族・親族」と共同が約6割
入居一時金の負担者で最も多かったのは「入居者ご本人のみ」で30.7%でした。しかし、入居者とその家族・親族のどなたかが負担するケースは合計で約6割(入居者とお子様:28.9%、入居者と配偶者:19.9%など)に上ります。

特に、「入居者とお子様」が「入居者と配偶者」を上回っているのは注目すべき点です。これは、入居者本人と同様に高齢の配偶者よりも、収入が見込めるお子様を頼りにしている状況が背景にあるのかもしれません。人材不足や物価高騰による施設の費用値上げも、入居者本人や配偶者だけで費用を負担することが難しくなっている一因と言えるでしょう。
月額費用は10~20万円台が主流、高価格帯は減少傾向
介護施設の月額費用については、「10万円台」が38.8%、「20万円台」が31.8%と、合わせて約7割を占め、昨年と同様に10万~20万円台がボリュームゾーンとなっています。

一方で、30万円以上の高価格帯の施設を選んだ割合は15.8%で、前回の調査の23.9%から減少しています。この結果からは、経済的な負担を考慮し、比較的低価格の施設が選ばれる傾向が強まっている可能性が見て取れます。
多くの人が見落としがち!「想定外の追加費用」に注意
介護施設入居前に想定していなかったこととして、最も多かったのは「想定外の追加費用が発生する」で34.0%でした。今回の調査で入居一時金なしや低価格帯の施設を選ぶ人が多い結果が出ましたが、低価格の施設の中には、基本料金に含まれるサービスが少なく、オプションサービスが多いところもあります。

例えば、医療機関への送迎や買い物代行、レクリエーション、おむつの廃棄などが別途有料になるケースや、水光熱費や食費が基本料金とは別に請求されることもあります。入居前にしっかりと確認しておかないと、月々の負担が予想以上に増えてしまうことになりかねません。
後悔しない施設選びのために、費用は「トータル」で考える
今回の調査結果を受けて、LIFULL 介護編集長の小菅氏はこのようにコメントしています。
「物価高が続くなか、入居者本人や同居する配偶者だけで費用を賄うことが難しく、子どもが金銭的支援をするケースも少なくありません。そのため、家族全体で老後資金や家計への影響を意識しながら、現実的な選択として施設を検討している状況がうかがえます。」
また、小菅氏は「安く見える」ことと「トータルで負担が少ない」ことは必ずしも一致しない点を強調し、想定外の費用を防ぐためには、月額費用の内訳を丁寧に確認し、「パンフレット記載額のほかに、どんな追加費用がかかるのか」を具体的な場面で質問することが重要だと述べています。さらに、将来的に介護度が上がった場合の費用変化まで見据えて比較することが、後悔のない施設選びにつながるでしょう。
介護施設選びは、費用だけでなく、提供されるサービス内容や施設の雰囲気など、様々な要素を総合的に検討することが大切です。今回の調査結果を参考に、ご自身やご家族にとって最適な施設を見つけるための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

