専業主婦・主夫という生き方は、多くの人にとって身近な選択肢でありながら、その実情は意外と知られていないかもしれません。今回、『しゅふJOB総研』が実施したアンケート調査の再分析により、専業主婦・主夫経験者と未経験者の間で、「現実」と「イメージ」に大きなギャップがあることが浮き彫りになりました。
専業主婦・主夫になった時の「気持ち」のギャップ
調査では、専業主婦・主夫になった場合の気持ちについて、経験の有無で比較が行われました。その結果、最もギャップが大きかったのは、経験者が未経験者よりも強く感じる「仕事をしていないことに後ろめたさのようなものを感じる」という感情で、ギャップ指数は12.1ptでした。一方で、「家オペレーションをとことん極めたくなる」というイメージは、経験者が未経験者より感じにくいことが示され、-10.8ptと最大のマイナスギャップとなりました。


この結果から、専業主婦・主夫の生活は、外から見えるイメージとは異なり、内面では仕事をしていないことへの複雑な感情を抱えている人が少なくないことがうかがえます。
家庭に専念する期間への「印象」のギャップ
家庭に専念する期間への印象についても、興味深いギャップが見られました。経験者は「家族との時間を楽しむために与えられた憩いの期間」と捉える割合が未経験者よりもやや高い傾向にありました。しかし、「家オペレーションを通じて新たなスキルを磨く期間」というイメージは、経験者の方が感じにくいという結果になり、-8.8ptのマイナスギャップとなりました。


家族との時間を大切にできる一方で、家事労働を通じてスキルアップするというポジティブな側面は、現実には感じにくいのかもしれません。
経験者のリアルな声
今回の調査では、専業主婦・主夫経験者からの率直なフリーコメントも多数寄せられました。その一部をご紹介します。
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「自分の時間や家族に対しての時間などを見つめ直せるし、ゆっくりと時間を過ごせる」(50代:パート/アルバイト)
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「あんなに家事や育児に専念出来て時間に追われることもなかった期間はなかったのでとても良い時間だった。しかし、配偶者がモラハラ気質だったりしたら地獄だと思う」(30代:派遣社員)
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「仕事していない期間については、後ろめたい気持ちになりました」(60代:パート/アルバイト)
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「収入がないことに対するうしろめたさのようなものを新たに感じるようになり、家族や自分にとって最適なバランスを探りながら、すこしずつ仕事もリスタートしていければと思うようになった」(40代:今は働いていない)
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「世間、社会から取り残されたような気持ち、自分が停滞しているような気がするので、資格取得の勉強をした」(40代:パート/アルバイト)
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「家事は賃金が発生しないので、仕事だと思われていない。無職と言われている様で、良い感じがしない」(50代:今は働いていない)
これらの声からは、専業主婦・主夫という選択が、個人の状況や価値観によって多様な感情を生み出すことがわかります。充実感や喜びを感じる人もいれば、不安や孤立感、そして社会からの評価に対する葛藤を抱える人もいるようです。
研究顧問からのメッセージ

しゅふJOB総研の研究顧問である川上敬太郎氏も、この調査結果について言及しています。川上氏は、専業主婦・主夫が感じる「後ろめたさ」や、家事オペレーションに対する積極的な気持ちが感じにくい現状を指摘しました。また、家庭に専念する期間は「家族との時間を楽しむための憩いの期間」と感じる一方で、「家オペレーションを通じて新たなスキルを磨く期間」とは捉えられにくい傾向があることを強調しています。
川上氏は、仕事も家事オペレーションも生活に不可欠な役割でありながら、家事オペレーションが過小評価されがちであると述べました。そして、「家オペ力」を通じて仕事に活かせるソフトスキルが磨かれていることや、「イエチカ」を評価することの意義に、もっと社会の目が向けられることを願っています。
家事オペレーションに関する具体的な内容はこちらから確認できます。
調査概要と関連情報
今回の調査は、インターネットリサーチ(無記名式)で行われ、有効回答者数は625名でした。調査実施期間は2025年7月19日(土)~2025年8月1日(金)で、ビースタイル スマートキャリア登録者および求人サイト『しゅふJOB』登録者が対象となりました。

しゅふJOB総研は、「結婚・出産などのライフイベントに関わらず、もっと多くの女性が活躍できる社会をつくりたい」という志のもと、2011年に設立された調査機関です。ライフスタイルと仕事の望ましいバランスに対する社会の理解を深めるため、定期的な調査を実施し、結果を社会に発信しています。

ビースタイルグループは、「時代に合わせた価値を創造する」という存在意義のもと、社会問題や人々の不便を革新的な事業で解決しようと取り組んでいます。しゅふの雇用創出や多様な働き方を支援する人材サービス事業を主軸に、業務自動化支援にも力を入れ、「かかわる全ての人がしあわせ」な社会の実現を目指しています。

